大阪市障がい者就労支援ガイドブック
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ととあきとひきいじくふくたききききききしでてめとくいごだあじつみいみいごわああほさみきいほんしとあつかねんおおさかししゅうぎょうしえんかいていばんかんこうほんしあつかかいていばんかんこう 障がいのある方の「就職したい」という願いを福祉という立場でお聞きするとき、2つほど気になることがあります。1つは、自分の進むべき道程を自分で決めていく、ということ、2つめは、選んでいる方にとっての「われわれ」は彼らから選んでいただけることを前提に、日ごろの業務などを企画できているのだろうか、ということ、の2点です。 健全な自己決定を成立させる要素というものがあると聞いたことがあります。率直に話し、偏りなく聞いて理解する⇒見通しを立てると同時に優先順位をつけた段取りを組む⇒実行に移し、最後までやり遂げる⇒適切に振り返り、記憶にとどめておく、ということが大切なのだそうです。 このプロセスが幾度となく繰り返されることで、人は自然と「自分で自分のことを決めていくということを学ぶ」のだと言われています。一番最初の「率直に話し、偏りなく聞いて理解する」の部分は、もし、それが対人という意味で苦手なら、「率直に知りたいことを想念し、偏りなく何かを閲覧して、特徴などを理解する」ということでも同義(同じこと)なのかもしれません。せんぱい その昔、貧乏学生だった編者は、先輩から「アルバイトしろ!」と言われ、一つには生活のため、しゃにむにアルバイトした経験があります。それはそれは何でもやりましたが、割と真面目に取り組んだおかげか、その後、社会に出る際には「ヒトとの距離や、モノの扱い方」などが役立ったと感じることもありました。何でもやりましたが、「自分の力量と比較して、とてもできそうにないこと」には手を出しませんでした。一部のチャンスなどは結果あきらめたことになったのかもしれませんが、自分なりのセレクトの感覚はあったと思っています。 自己決定の世界は、割に深淵なのかもしれません。自己決定・自己選択ということをするとき、さらに土台となる決定の仕方があるということも重要です。それは「助けてもらえれば可能かも」という感覚です。これを自分の人生に加えていくためには「必要な場面で助けを求めていく力」が必要です。 編者は昨今、この「助けを求めるチカラ」が抑圧されてしまっている方に多く出会うことが気になっています。もし、この自己決定を支しょうかたしゅうしょくすすじぶんどうていかたていぎょうむてんけんぜんじこけっていせいりつかたよそっちょくはなどうじゆうせんじゅんいてきせつたいせついくどぶんじぶんそっちょくはないちばんさいしょたいじんなにかたよえつらんそうねんどうぎおなむかしびんぼうがくせいせいかつひとなんしゃかいやくだかんあつかかたりきりょうひかくじぶんいちぶおもわりしんえんじこけっていせかいこせんたくじゅうようじんせいくわかんかくじぶんひつようちからたすもとへんしゃさっこんたすかたおおであさっしけいさいちがばあいほうもんにちじやくそくちいきしえん冊子に掲載されています「各事業所個別情報」に関しては他情報誌等への無断転載等を固くお断りいたします。えいぎょうないようかくしゅうろうしえんじぎょうしょ各就労支援事業所における各種情報は、令和4年4月に取得したものを使用しておりますので、それ以降の営業内容と違っている場合があります。かくしゅうろうしえんじぎょうしょ各就労支援事業所における基本的な活動内容の詳細をご確認されたい場合には、それぞれの事業所にご連絡いただき、訪問日時などをお約束の上、一度ご訪問されることをお奨めします。かくじぎょうしょ各事業所では、地域で様々な「コミュニティー」を形成し、多様な活動をされており、それらの情報の一部は、ホームしゃしゅうぎょうせいかつページ(https://osaka-fukushi.jp/)などから参照が可能です。これらに関連する情報は「大阪市障がい者就業・生活支援センター」までお問い合わせいただきますようお願いいたします。れいわねんがつきちじつ令和4年9月吉日大阪市障がい者就労支援ガイドブック製作委員会かくじぎょうしょこべつじょうほうかくしゅじょうほうれいわねんがつきほんてきかつどうないようしょうさいほうもんいちどうえさまざまねがふくしえらかれきかくようそみとおりかいうつだんどじっこうかえきおくひとかえまなかたよりかいいみにがてそっちょくしとくちょうりかいへんしゃじまわりきょりさいなんけっかかんかくじぶんじこけっていじけっていどだいかのうたすひつようよくあつもとじこけっていかんほかじょうほうしとうしゅとくかくにんすすけいせいかつどうたようさんしょうかのうねがおおさかししょうえんたちばじぶんふうおこなえらおとなてきぜんこまもはんこんぱんさいごいちよくになわたしわたししぜんこういぶぶんてきかれひとけいけんじぶんそんざいゆうほんだいはんかんこうしえんしゃだいじうえしかたひっけいねがばめん援するのであれば、これはすなわち、「助けを求める行為はどういう風に行うのか」についても具体的に教示すべきではないかと思うのです。大人的に言えば「その意味について大人たちが模範例を見せていく」ことになるのではないかと感じています。セルフアドボカシー(困ったと言えるチカラ)は、最初から身に付いている力なのではなく、模範となる先達者から学んでいくものなのかもしれません。 かつて今般のガイドブックを作製した際、見開きの両ページの事ぎょうしゃたが業者が互いに「初めまして」と口にする場面に遭遇しました。業界の一翼を担う私たち自身が、自分たち以外の理念や福祉内容に接しきってはいないのです。福祉の世界に「助け」を求める方々にとって、私たちは互いに見知った関係であることが必要不可欠だと思っています。互いに連携(助け合う)する先輩たちの姿は、「選ぶ」という行為を具現化した光景に仕立て直し、できるだけ視覚的・効率的に彼らに提示されるべきです。 コミュニケーション(communication)はラテン語で、コミュニカーレ(=分かち合い)というのだそうです。意思疎通(通じ合い)だけではなく、一つのモノなどを、欲しい人の数で何個にも分割して共有することを指しています。私たち福祉家も、全てを背負切れていない自分たちの事実を再度直視し、彼らから見た福祉というものを共有する存在として、互いを認識し、彼らから選ばれる存在であり続けるにはどうすればよいかを考える時代になっているのではないでしょうか。 本ガイドブックは「関係機関との連携」を標榜して創刊して以来、これで第5版の刊行となります。きぼう 支援者は本人の意図や希望などの変化に、いち早く気づくことびんかんさっちが大事なことは言うまでもありません。当事者の想いを敏感に察知し、その上で具体的なコミュケーションを図ることが可能な支援者必携のツールの一つとして、本冊子が私たちの地域で活用されることを願っています。むだんてんさいとうかたことわしようじぎょうしょばあいじょうほういちぶおおさかししょうじょうほうかんれんしゃしゅうろうしえんたすぐたいてききょうじいみかんさいしょまなせんだつしゃさいさくせいくちはじばめんそうぐうじしんじぶんいがいふくしせかいたがみしかんけいたがせんぱいれんけいたすなおしたこうけいぐげんかていじかずなんこひとふくしかわたしじじつさいどちょくしかれにんしきかれたがじだいかんがかんけいきかんれんけいほんにんへんかいととうじしゃおもぐたいてきほんさっしわたしひとおおさかししゅうぎょうしえんおおさかししょうちゅうおうれんけいもとこういおもおとなもはんれいちからりょうみひらぎょうかいせっりねんふくしないようもとたすかたがたおもひつようふかけつえらすがたしかくてきこうりついしそつうつうきょうゆうぶんかつせおいきすべふくしきょうそんざいつづえらひょうぼうそうかんいらいはやしえんしゃかのうはかかつようちいきれいわねんがつきちじつ令和4年9月吉日2022大阪市就業支援ガイドブック編纂委員会大阪市障がい者就業・生活支援センター中央連携マネージャー 前野哲哉へんさんいいんかいしゃしゅうぎょうせいかつしえんまえのてつやいこうれんらくせいさくいいんかい

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